■Ignorance is bliss.■


「ん〜」
「ソフィー、どうかしたの?」
「おやつにホットケーキを作るつもりなんだけど蜂蜜の瓶の蓋が固くて開かないのよ」
「なんだ、かしてごらん」
「はい。でも本当に固いのよ?」
「そう?  ほら、これでいいかな?」
「まあハウル!  凄いわ、私てっきり魔法で開けるのかと思ったのに、あなたって意
外と力があるのね!」
「ソフィー、僕のことどんな風に見てたのさ」
「え?  なんとなくフライパンより重たい物って持てないのかなって」
「ソフィー………そりゃないよ」
「そうね、ベーコンと卵が三人分乗せてもちゃんと操ってたわね」
「………ソフィー………」
「蜂蜜ありがとうハウル。美味しいパンケーキを焼くから楽しみにしててね。ハウルには
一番大きいのをあげるわ!」
「………ハウル、おまえさ………」
「言いたいことは分かってる。何も言わないでくれカルシファー」
「色男、金と力はなかりけり、って良く言ったものよねえ」
「あわわ、ばーちゃん余計な事言うなよ!  ハウル!  おまえは違うからな!  ソフ
ィーだって言っただろ!  フライパンに卵とベーコン三人分乗せてもちゃんと………」
「それくらいはソフィーにだって普通に扱えるんじゃないかしらぁ?」
「だからばーちゃんは喋るな〜! 落ち着けハウル、落ち着けったら〜!」
「あらあら派手ねぇ」
「助けてソフィー!  ハウルが溶けたよぅ〜!  ねばねばの海を作ってるよう!」
「まあ!  何があったのカルシファー!  なんでハウルが癇癪起こしてるの!?」
「色男だからよねぇ」
「いいから助けて〜!  オイラハウルが邪魔で暖炉から出れないよ〜!  消えちゃう
よう〜!」
「ああほらこの薪に移ってカルシファー!」
「…………助かったぁ〜」
「うわあハウルさん、闇の精霊呼び出したの?  あーあドロドロだ〜。ソフィー、何
やったの?」
「え?  私は何もしてないわよ!」
「…………酷いよソフィー…………」
  知らぬが、仏。


 
 
 
                                         -end-

2005年1月31日作。四年以上前とは自分でもびっくりの
初ハウルにして初ハウル×ソフィーでした。
原作は読んだことがないので、
私の描く二人は、ジブリのハウル×ソフィーです。
 

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