馬鹿でかい荷物が、秋山の暮らすマンションに届けられたのは、神崎直の三文字が、同居人と
して正式に登録された日の、午後のことだった。
「フクナガさんからです!」
「………あいつ、なんで俺の住所を知ってるんだ?」
「私が教えました! お引越ししますって」
「どうしておしえちゃうかな、君は」
「い、いけなかったですか!?」
「まあ、今さらだからいいけどね。で、それ、なに」
「なんでしょう? 開けていいですか?」
「どうぞ」
「結構大きいですけど………ええと、あ、クッション? 枕、なのかな?」
「そんなもの、送ってきたのか?」
「あ、お手紙が付いてますよ。ナオへ、これはアキヤマとの同棲生活を始めるあんたへのに、ち
ょっとしたお祝いをよ。これをつかって、アキヤマとの楽しい夜をエンジョイしなさいね、だそ
うですけど………」
 読み終わった手紙をきちんと封筒に戻してから、直は首を傾げながら箱の中の物体を取り出し
それを左右の手のそれぞれ持って、不思議そうな顔で交互にそれを見た。
 右手の枕には「YES」左の枕には「NO」の文字。
「秋山さん、これってどうやって使うんですか? それに、これでどうやって、夜をエンジョイ
するんでしょうか」
「………………………」
 さて、正しい用途方法について、説明すべきか否か?





そして、フクナガさんは報復を受けます(笑) まあ、いいところ、「イエスノーゲーム」を捏造して説明するんでしょうな、秋山さん。