USS Kyushuトップに戻る

このページは、海外の優れたサイト Ex Astris Scientia の一コーナーを、同サイトの Bemd Schneider 氏の許可を得て日本語に翻訳したものです。快諾して下さった Schneider 氏に厚くお礼申し上げます。

Ex Astris Scientia
開設: 2000/3/22
最終更新: 2001/1/13

ニューオーリンズ級 (New Orleans Class) の復元


写真 1 キュウシュウを含むウルフ359シーン
(画像提供 Pedro)
 
写真 2 エンサイクロペディア I の画像

(画像提供 Frank)

ニューオーリンズ級には U.S.S.キュウシュウ (U.S.S. Kyushu) NCC-65491、U.S.S.レネゲイド (U.S.S. Renegade) NCC-63102、U.S.S.ラトレッジ (U.S.S. Rutledge) NCC-57295、そして U.S.S. トーマス・ペイン (U.S.S. Thomas Paine) NCC-65530 がある。ウルフ359での残骸の一部として、キュウシュウだけが映像に登場した。オプス・コンソールの近くのひどく損害を受けた船で、セリフ中でも言及されている。このモデルは Ed Miarecki によって製作された。初の印刷された描写はスタートレック エンサイクロペディア Iに掲載されたが、小さいモノクロの写真のため、船はギャラクシー級 (Galaxy class) に似ており、異なったワープパイロンと、円盤部の上に 2本の新たなポッドがあることしかわからない。スタートレック エンサイクロペディア II にはキュウシュウの 2枚のカラー写真があり、1枚は上部、もう 1枚は下部からの視点のものだ。私は以前、これは写真の存在しない無傷のモデルの CGI 復元かもしれないと思っていた。明かりのついた窓、光を放つナセル、人工的な背景から判断すると、この画像は明らかに作られたものだ。それにも関わらず、これには既に明らかになっているように、実際のモデルに典型的な特徴もある。これは Mike Okuda が戦闘によるダメージを加える直前のミニチュアを、実際に撮影した写真である。ほぼ完全にギャラクシー級のパーツがモデル用に使われ、それに広範囲に渡る改造を施したということが確かになった。


写真 3 エンサイクロペディア II の上面図
(画像提供 Pedro)
 
写真 4 エンサイクロペディア II の下面図
(画像提供 Pedro)

別のニューオーリンズ級の画像は、多分 Mike Okuda によってコンベンションで最初に示され、広まる過程で手が加えられたものだ。これまでのところ最も良いニューオーリンズ級艦の画像は、日本の書籍、スタートレック メカニクス [訳注: スタートレック商品観測室参照] に最近掲載された。


写真 5 コンベンションの画像、ナセル構造が強調
(画像提供 Pedro)
 
写真 6 スタートレック メカニクスの画像
(画像提供 Alexander DeLarge)

全ての参考画像は疑いようもなくギャラクシー級の円盤部、機関部船体、ナセルがニューオーリンズ級モデルを形成していることを証明している。チェイエンヌ級 (Cheyenne class) [訳注: Ex Astris Scientia へのリンク] で行われたように、表面がほぼ平らな 1/2500 モデルを修正するのが容易だ。しかしながら、比較的良い詳細がわかる、写真 6 のフェイザー帯、窓、脱出ポッドは、モデルが 1/1400 AMT/Ertl エンタープライズ-D のパーツを使っていることを示唆している。このことについては最近 Ed Miarecki によって確かめられた。更に参考画像が研究されるにつれ、ギャクラシーに比べて多くの違いが明らかになった。まず第一に、窓と救命ボートが改良されていることが明白であり、そのためニューオーリンズ級はギャラクシー級より極めて小さな船と推測される。基本的に、2つのデッキが 1つに結合されている。このことで船の全長が約 320メートルだという第一の推測が成り立つ。

ニューオーリンズ級は円盤部上部の 2本の追加ポッド (写真 1, 写真 2, 写真 3, 写真 5) と機関部船体下部の 1本のポッド (写真 4, 写真 6) を特徴としている。ファンの間では、これらのポッドが補助ワープエンジンか、光子魚雷管か、センサー・アレイか、さらにはシャトル格納庫を意味するものと想定されているのかという論争があるが、これは多少なりとも計画的なデザイン要素を提供した宇宙艦デザイナーによって明確にされるべきだ。チェイエンヌ級のマーカー・ナセルを考慮すると、このポッドは 1/1400 ギャラクシー・モデルキットに完全に適合する、(恐らくは Schwan Stabilo による) マーカーのようなもので作られているのかもしれない。

モデルは 1/1400 スケールのエンタープライズ-D を基にしているため、比較できるほど大きいブリッジは恐らく特別な部品だろう。写真 3 での第1デッキはまさに楕円で、ギャラクシー級のブリッジほど詳細ではないことにも注目したい。それでも、第2デッキを含め、ブリッジ・モジュールの形状はギャラクシー型のモジュールのはずだということを明白に示している。これは私の最終的なサイズ見積もりの基本になっている。

ニューオーリンズ級の上面図は、先述した細かい違いを除けば、ギャラクシー級とさほど変わらない。対照的に、写真 4写真 6 の 2枚の下面図では、ギャラクシー級に比べると機関部船体が円盤部に接近していることがわかる。これは短いネック部を装備しているに過ぎない。ギャラクシーのネック部の下端が切断され、中央インパルスエンジンが再度取り付けられたものと私は推測している。機関部船体は、特別な部品か、2つの船体の部品を大量のパテでつなげたものでかなり拡張されている。これは写真 6 に見られる 2本のフェイザー帯の存在により確認される。元々存在する前方の 1本と、後方の船体部の 1本である。上面と下面図の比較からも明らかだ。機関部船体の前端は円盤部の中央の真下にあり、一方後端はギャラクシー級のモデルと同じ場所にある。その上、後端は改造され下部のカットが施されている。

翼状のギャラクシー級ワープパイロン構造はなくなり、代わりに特別なパイロンにナセルが取り付けられている。写真 6 によるとパイロンは詳細のない単純な部品で、簡単なポリスチレン・シートで作られている可能性がある。一見するとナセルはギャラクシー級のものと同じである。にも関わらず、写真 5 で明示されているように、元々のギャラクシー級ナセルが後端で拡張されたものと私は確信している。この推測には強い証拠がある:

1. 写真 2写真 3 の 2枚の上面図では、見たところでは同じアングルのギャラクシー級の船の図より薄いナセルを現している。これは各ナセルの一部が陰になっているための錯覚だという反論があるかもしれないが、両方の画像で両方のナセルが錯覚だというのは私はありえないと思う。

2. 写真 5写真 6 の破壊されたキュウシュウのモデルのナセルは、見たところでは無傷のモデルのナセルと同じ長さではない。それでも、これらの画像は私の推測をよく証明することができる。写真 5 の右舷ナセルの完全なブサード・コレクター部 (先端) は失われており、画像が最初に修正された時に偽造されてない限り、残りのナセルだけで完全なギャラクシー級ナセルと同じ長さである。一方、左舷ナセルは後端が欠けており、残りは同じアングルから見たギャラクシー級円盤部とほぼ同じ比率である。

3. もしナセルがそれでも改造されていないギャラクシー級ナセルだとすれば、円盤部と同じ縮尺ではなく、いくらか大きな物になるだろう。これは可能性があるが、1/2500 か 1/1400 モデルキットのどちらかが使われているに関わらず、ありそうにない。

4. 写真 3写真 5 の上面図はナセルに 2組の溝 (プラズマ排気孔) があることを示している。1組は後部、もう 1組は中ほどにある。しかしながら、ギャラクシー級のナセルには 1組しかない。この遥かに小さいニューオーリンズ級のナセルは、ギャラクシー級に使われている型とは違うように見えるのは明らかである。これは、何の効果もなさそうな 2つの穴を空けたというより、各ナセルに別の後端を取り付けて作られたものだろう。

5. 第2のナセル後部が取り付けられたという推定に基づき、私が復元した上面図写真 5 の最も良く見えるナセルの外観と正確に一致する。これは偶然の一致というわけではないはずである。

6. 写真 3写真 5 は両方とも、モデルの全体的な着色にも関わらず、パテが見えているといわんばかりに、2組のプラズマ排気孔の間に異なった色の区域があることを示している。


最終的な側面図

最終的な上面図

ギャラクシー級ブリッジモジュールの知られているサイズからすると、上記の私の図解によればニューオーリンズ級は長さ 345メートル、幅 246メートルである。興味深いことに、円盤部はチェイエンヌ (幅 262メートル) より小さいようだ。私の船の復元の限られた精度により、実際には 1/1 スケールと同じはずだという解釈は認められるだろう。けれども、ニューオーリンズが 1/1400 モデルに特別なブリッジであるのに対し、チェイエンヌのミニチュアは 1/2500 ギャラクシー船体の上に 1/1400 ブリッジ・モジュールを使用している。これらのサイズの関係が正確に全く同じであることは、どちらかといえばありそうもない。よって、とにかく上下逆にひっくり返っている 1/1 チェイエンヌの円盤部は、異なったわずかに大きなサイズをもった違ったデザインになっているはずである。

ニューオーリンズは円盤部がチェイエンヌと同じだとしても多分小さいが、ブリッジモジュールには通常高さ 3.5メートルの 2つのデッキがあるとすると、数デッキがそれぞれ 4メートル以上の高さがあるようだ。ニューオーリンズ級の脱出ポッドは単純な形をしており、有効な参考資料がないため、ギャラクシーのものと同じサイズである必要はない。

 

クレジット

画像資料に感謝します: Alexander DeLargePedroFrank。ニューオーリンズ級の復元に関して協力して頂いた、Solarflare Forums の Shipbuilder、Federation Shipmaster、The359、TSN、AndrewR、The Shadow、NeghVar、Sol System、The Vorlon にも感謝します。新たなコメントを頂いた Chris に特別に感謝します。


dot

USS Kyushuトップに戻る