■野守(のもり)   
  
 一面に広がる、廃墟のような森の残骸。
  かつては多くの鳥や獣たちの暮らした場所だという名残は欠片もない。
  それはわずか数日前のことだということさえ、信じ難かった。

「これ、元通りになるのにどれくらいかかるんだろうなあ」
「もし、あの火災でこの場所を焼き尽くした炎が通常のものだったとしても、これ
だけの規模の森が復元するには、数百年は必要になるだろう。それも植物の成長に
必要な条件が揃えばのことだから、恐らく数千年の単位と考えるべきだろうな」
「そっかあ………」

  ふー、とナルトはサスケの応えに大きく息を吐いて、もう一度辺りをぐるっと見
回してから膝を折った。
  焼け落ちた森の名残の炭と化した枝を手に取ると、じっと見入る。
  木の葉の森の中でも一、二を争う広さを誇る森が突然上がった火の手によって跡
形もなく焼け落ちる事件が起きてから、三日になろうとしているが、いまだに火災
の原因は判っていなかった。
  調査には特務からそうしたことを得意とする者を選出したのだが、彼らをして事
件の真相を闇から浮かび上がらせることに苦慮している。
  裏を返せば、それだけ今回の森林火災には何が重大なものが潜んでいる、という
ことになるのではないかと思われて、ナルトは気が重かった。

「サスケ、おまえはどう思う?」
「これまでの経緯や木の葉で起きた事件なとを考慮するなら、この火災が自然現象
だと考えるのは難しいかもしれないな」





【今回のsampleは本文の途中から抜粋しております】




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